音を響かせる胴と弦を張るさお、この2つを合体させます。いよいよギター全体の姿が現れる工程です。
胴側にあり溝を刻んでさお側にほぞを削りだします。溝にほぞを差し込んで、しっかり接着します。さおを取り付ける仕事も湿気を嫌いますので晴れた日しかやりません。工房の2階にある12畳ほどの作業場には湿度計があります。エアコンを入れて湿気を取りながらの作業です。
木は生きています。30年間自然乾燥させても動きます。雨の日は湿気を吸って膨らみ、晴れた日には湿気をはいてちぢみます。だから乾燥した日にやります。
よく切れるカンナで胴の頭を削り、のみで溝を彫り上げ頑丈なケヤキの作業台でほぞを仕上げます。
ありみぞとほぞのかみ具合を何度も調整します。そしてギターを寝かせて接合部をどんどんとたたきいれる瞬間は、さおと表板との角度が重要なので緊張します。カンナでさおを少し削って細かい調整をして仕上げます。まったくすきまはありません。