表板は弦の振動をギター全体に響かせる役目をします。表板の加工は、ギターの音色を決める、とても大事な工程です。
表板は1枚の板を2つに割って真中を張り合わせることに特徴があります(裏板も同じ)。木目を左右対称にして、音をバランスよく響かせるためです。
2枚の薄い板を張り合わせることを「はぎ」といいます。熟練した技術が必要な難しい作業です。
次に表板をにかわではりつけます。ギター作りの大事なところではにかわをつかいます。木は湿気の多い少ないで伸びたりちぢんだりするので木の動きに応じて天然素材のにかわも動くから剥がれにくいのです。
準備が出来ると、にかわを板の接着面につけて、手早くはりつけます。
にかわの量、接着面を押さえるタイミングなど、剥ぎのコツは体で覚えるしかありません。この作業は湿気は禁物なので、雨の日や梅雨時にはやりません。
そして表板を削って仕上げます。ギターの音が決まる大事な加工、刃を良く砥いだかんなからひと削りごとに薄く、きれいなかんなくずが吐き出されます。